デジタル時代の記事の取捨選択

 コロナ禍の今春、人事異動により職場がデジタル部門に変わりました。

 それまでのアナグロの紙媒体から一転。慣れない業務を自ら勉強、習得する日々。忙しくて公式サイト「Tokyo Camera Walker」やYouTubeチャンネル「tokyo Camera Walker 1」の更新が滞っており、読者・視聴者のみなさんには申し訳なく思っています。

 ところでこの半年間、デジタルの職場にどっぷりと関わり、業務として発信者の組織に属して活動してきた中で痛感したことがあります。つまり最終的に金銭を得る目的でサイトなりYouTubeで発信する側になって分かったこと、です。

 それは「PV」です。「ページビュー」と呼ばれる、どれくらいの人々がサイトに訪問してくれたか、という数字です。

 デジタル媒体はこの数字を稼ぐことに血眼になっており、思わせぶりな見出しや映像、画像で、読者・視聴者さんが思わずクリックしてしまいそうな文言を並べます。東京スポーツ略して「東スポ」と呼ばれる主に駅売り、即売が大半のスポーツ新聞が、ド派手で誇大な見出しを大きな活字で並べて目を引き、興味本位で購買意欲をそそるやり方です。見出しにつられて買ったものの、記事の中身はな~んてことはなかった、という経験をお持ちの方は、50代以上の男性は経験したことがある方もおられるでしょう。

 商品紹介、自分の生活描写など無数の分野で日々大量の情報が発信される今。わたしたちがその情報に振り回されないのは当然、無駄な情報を読んだり、視聴したりする時間の浪費にも気を付けなければいけない時代になりました。

 もちろん、それぞれの情報に対する思いは人それぞれ、千差万別。ソロキャンプ動画で至福の癒しを感じる、商品紹介動画で趣味の世界を満喫する、など一人一人にとって何かしらの有益なことがあれば問題はありません。

 しかしながら無益、あるいは有害になる、時間の浪費にしかならない情報が生み出されているのも事実です。いたずらにセンセーショナル、攻撃的、他社排斥、過激な言論、人々の醜悪な感情に訴える、など、その手法は多種多様です。

 亡くなられた著名人宅への張り込み、過度な情報提供、マスコミ一斉の集中砲火など、人々の品性を下劣にする使い捨て情報があふれかえっています。

 ぜひ、クリックする前に情緒的で結論を書いていない情報に対し、一瞬立ち止まり、その情報が自分の時間を消費するにふさわしいものかどうか考えてみてください。条件反射的にクリックするように付けられた見出し、タイトルの記事にはご用心を。

 そしてこれからの情報の発信者には、読者・視聴者のみなさんの時間をいただくことにふさわしいものかどうか、発信する情報の意味を考えてから情報を公開してください。デジタル時代、無制限に時間を浪費させようとする情報を見極めることが肝心です。

 

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